2025.07.10

御杣始祭 参列報告

古野 隼人(会長) 端野 隆史(専務理事)

令和7年6月3日

このたび、長野県上松町の国有林にて執り行われた「御杣始祭(みそまはじめさい)」に伊勢YEGから古野会長がご招待を受け、私も随行者として参加いたしました。

古野会長と端野専務と別団体から参加の森井委員

御杣始祭とは、伊勢神宮の社殿を20年に一度新しく建て直して御神体を移す「式年遷宮」に向け、御神体を納める器の材料となる御樋代木(みひしろぎ)を切り出す重要な祭事です。

この日は天皇陛下の御令妹で神宮祭主を務められる黒田清子さんをはじめ、約350名の参列者が見守る中、厳粛な雰囲気のもと祭儀が執り行われました。当日はあいにくの雨天ではありましたが、霧がかかる山中に響く祝詞(のりと)とともに祭儀は粛々と進められ、約3時間にわたる神事ののち、いよいよ御樋代木の切り出しが開始されました。

三ツ紐伐りで切り出される御神木

伐採には古式に則った「三ツ紐伐り(みつひもぎり)」という技法が用いられ、儀式の締めくくりとして杭が打ち込まれると、内宮と外宮でそれぞれ使われる予定の樹齢およそ300年の2本の御樋代木が森の静寂を破るように「鳴き」を上げながら倒れ、参列者からは自然の尊さと伝統の重みを感じた拍手と喝采が起こりました。

悠久の歴史を紡いできた伊勢神宮の営みとその営みを支える全国の人々の思いに触れたことで、あらためて日本の伝統文化や精神性の奥深さ、自然との共生の在り方に深く思いを致すこととなりました。また、伐られた御樋代木がこれから年月をかけて御神体を納める器へと姿を変え、やがて神宮の新たな社殿の一部として神聖な務めを果たしていくその時間軸の中に、私たちも関わりがあることに大きな誇りを感じました。

左の御神木は内宮 右の御神木は外宮へ

このような尊く貴重な機会に立ち会うことができたのは、何よりもご縁があってこそ得られたものであり、関係者の皆様には心より感謝を申し上げます。伊勢YEGとしても、地域の一員としてこのような文化や伝統を未来へ繋げていく役割の一端を担うことの意義を改めて胸に刻み、今後の活動において次代に誇れる取り組みを積み重ねてまいりたいと思います。

20年後の御杣始祭へ・・・

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